特許取得のため、入念な戦略が必要不可欠です。今回は、特許出願時に必要な戦略の考え方を実際の出願事例をもとにご紹介します。
根本特殊化学株式会社は、「蛍光体製造技術」「放射線取扱技術」「塗装・印刷技術」を中心に開発・製造をおこなう蓄光材料メーカー。避難通路を示す「高輝度蓄光式誘導標識」や時計の文字盤によく使用される「N夜光・ルミノーバ」もこの会社が開発しています。
経営のトップが知的財産の重要性を認識しており、法務・知財室を設けて予算も配分しました。気になる製造工程は、あえて特許を取らず社外秘として保護すれば、類似品開発の防止に繋がります。過去に、米大手企業が「N夜光・ルミノーバ」に対し異議申し立てを起こしましたが、徹底抗戦をした結果異議申し立てを却下して、特許に認定された事例もあるようです。
参考元:特許庁:知的財産権活用企業事例集2016 ~知恵と知財でがんばる中小企業78~【PDF】https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/05.pdf#page=2
旭精工株式会社は、紙幣・硬貨の選別機の製造販売やアミューズメント店舗の運営支援システムの開発をおこなう会社です。券売機や電子決済付き処理機、銀行の硬貨入出金機などを製造しています。「有利な権利を最小限のコストで」をモットーに、特許料の減額制度を活用しながら明細書の作成をおこなっており、拒絶理由通知がくることを想定して補正後のことも頭に入れているようです。
「新技術を特許で保護し、次の開発につなげていく」との方針で、製造工程は積極的に出願しています。海外で特許を取得する際、販売国を絞ることでコストを削減。類似品が多い中国・韓国・台湾メーカーの輸出先は欧米が圧倒的に多いので、欧米で特許を取得すれば流通を防げる考え方のようです。
参考元:特許庁:知的財産権活用企業事例集2016 ~知恵と知財でがんばる中小企業78~【PDF】https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/07.pdf
JITSUBO株式会社は、東京農工大でペプチド類緑化合物の合成・分離技術による設立された大学発のベンチャー企業です。「高効率ペプチド製造技術(Molecular HivingTM)」「新規 ペプチド創薬技術(PeptuneTM)」の2種類のペプチド合成基盤技術の特許を確立し、医療の発展に役立っています。
創業当時は、知財に関する知識や認識の甘さがあったため、関東経済産業局特許室が主催した「知財戦略コンサルティング事業」に参加。業界の構造や特許出願の動き、調査・分析をおこない、あらたなビジョンを作るきっかけになります。海外では、現在4つの国で特許権を取得しており、ライセンス契約をする可能性がある国を中心に外国出願を進める戦略を練っているようです。
参考元:特許庁:知的財産権活用企業事例集2016 ~知恵と知財でがんばる中小企業78~【PDF】https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/02.pdf
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