この記事では、意匠の取得事例からわかる戦略の考え方を解説しています。自らのデザインを保護するために必要な意匠の取得について考えていきましょう。
株式会社シンキーは、「自転公転ミキサー(撹拌脱泡機)」を開発・製造・販売をおこなう企業。シンキーのミキサーは、太陽の周りを地球が一周するイメージで、容器に入った材料を高速回転するものです。従来のミキサーより短時間で処理ができることがポイントで、「医薬材料」「機器部材」などさまざまな用途で使用されるミキサーです。
知財を意識した研究開発が長期的にできるように、開発担当の経営幹部が技術運営を学んだ後弁理士資格を取得させ、知財課長を配置させました。知財課長は、研究開発のヒントになりそうな他社の特許状況をまとめた「知財ニュース」を発行して、社内に知的財産権の強化に努めています。
大企業や大学などの技術開発や技術提携は積極的におこなっていますが、特許の共有を防ぐため、先に技術ノウハウの単独出願も完了しているようです。
知的財産権活用企業事例集2016~知恵と知財でがんばる中小企業78~https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/07.pdf#page=10
株式会社ミラック光学は、顕微鏡や光学関連機器の設計・製造をおこなうメーカーです。現場作業から装置の組み込み用まで、さまざまな位置決めに役立つアリ溝式ステージは、主力商品として年間で約15,000台を売り上げています。
ミラック光学の知財活動は、初めこそ技術の流出防止を目的にしていたが、今は「付加価値向上」も視野にいれて強化しています。そのため、アイデアの段階から知財調査をおこない、意匠以外に商標権や特許権も取得して「本物の製品」として付加価値を付けることに成功しました。
また、創業当初からの顕微鏡測定器の開発で培った職人の存在も、知財活動の大きなポイントになっています。各種部位の組立作業は、ミクロン単位の加工を手作りでおこなっており、他社では真似できないほど重要なノウハウです。たとえ模範品が出てきても、品質・性能にあきらかな差が出るので、知財活動において大きな強みとなっています。
知的財産権活用企業事例集2016~知恵と知財でがんばる中小企業78~https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/09.pdf#page=4
株式会社中村家は、「三陸海宝漬」がテレビで紹介されるほど大ヒットして後、「海の宝石箱」「黄金海宝漬」など、海宝漬関連の販売を中心に展開しています。「三陸海宝漬」は、中国や香港でも商標登録されており、とくに中国はアワビを好んで食べる文化があるため、香港マーケットを経由して流通を進めているようです。
過去に似たような名前の類似品が販売されており、「三陸海宝漬」だと勘違いした消費者からクレームを受けたため、顧問弁護士に内容証明を送り差し止めた経験があります。現在は、「J-PlatPat」「知財総合支援窓口」「日本弁理士会の特許出願等復興支援制度」を活用しながら知財活動をおこなっていますが、社内に知的財産の専門家がいないので日々必要性を感じているようです。
参考:知的財産権活用企業事例集2016~知恵と知財でがんばる中小企業78~https://www.jpo.go.jp/support/example/document/kigyou_jireii2016/01.pdf#page=4
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